第21章

「コスモタイガー隊再出撃!!」
 近藤が再出撃を命じた。
命令を受けて再出撃していくコスモタイガー隊。
 ミサイルの再装填だけの為、さほど時間を食わなかったのだ。

「さぁ、行くぞ!! 全機、つづけぇ」
 加藤が、全機に命じた。



「全艦潜航開始!!」
 ガルマン帝国の艦隊が次々潜航していく。
バラン星奪還艦隊は、アスタル級のステルス潜航戦艦で編成されている。
「将軍!! 全艦潜航完了しました」
 副官が報告した。
「よし。 全艦微速前進!! 亜空間魚雷の用意をしろ」
「全艦亜空間魚雷用意!!」
 ガルマン艦隊も亜空間内で戦闘準備を進める。
「将軍!! 全艦、亜空間魚雷発射準備完了しました」
「そうだ。 ガルマンカートリッジタイプも発射可能状態にしておけ!!」
 グラルバジャルは、カートリッジタイプも発射準備を進めるように命じた。
 ガルマン艦は、亜空間内を静かに移動している。



『此方、電算室!!』
「如何した!?」
 副長の宮川が聞いた。
『亜空間レーダーが艦隊を捉えました』
「所属は?」
『データ照合の結果、ガルマン帝国の艦隊です。 恐らくデスラー総統が派遣したバラン奪還艦隊と思われます』
「艦長!!」
「全砲門全力発射」
「はっ。 全砲門全力発射」
 今、ヤマトの主砲が全力発射されようとしている。
『第一砲塔発射準備完了』
『第三砲塔発射準備完了』
『下部第一砲塔発射準備完了』
 各砲から発射準備完了の報告が来る。
「発射!!」
 斉藤が発射を命じるとヤマトの八基、計二十四門の主砲が火を噴いた。
大改造によってパワーUPしたヤマト主砲は、敵の巨大戦艦を撃ち抜いた。



「司令!! 波動砲を発射したヤマトが砲撃してきます。 更に艦載機部隊も地上基地へ攻撃しに行っています」
 兵士が叫ぶ。
「レーダーに新たな艦影!!」
「何処の艦だ!?」
「分かりません。 確認する前に反応が消えてしまいました」
「潜宙艦だ!! 各艦に爆雷を投下させろ!! いそげぇ」
「はっはいっ!! 各艦に爆雷を投下させます」
 慌てて爆雷を投下するガルバート艦隊。



「将軍!! 敵が、爆雷を投下したようです」
 ガルマン兵が報告する。
「無駄な事を…… 全艦亜空間魚雷発射!!」
グラルバジャルが、亜空間魚雷の発射を命じた。
ガルマンの次元潜航艦から亜空間魚雷が敵へ発射される。
 発射された亜空間魚雷が敵へ向かって突き進む。



「敵、魚雷急速接近!!」
 ガルバート艦の兵士が報告する。
「撃ち落せ!!」
 ガルバート帝国の戦艦から迎撃ミサイルが発射され次々がルマン帝国の亜空間魚雷を撃破していく。
「亜空間重爆雷投下!!」
「司令!! 敵艦載機隊がやってきます」 
「撃ち落せ!! 小うるさいハエを一機たりとも残すな!!」 
 次々、命令を出すホルギリス。
「亜空間重爆雷投下準備完了」
 兵士が、亜空間重爆雷の投下準備完了を報告した。
「投下!!」
 ホルギリスは、亜空間重爆雷の投下を命じた。
 巨大戦艦から次々投下される亜空間重爆雷。
 更に主砲が旋回しコスモタイガーを撃ち落さんと狙いを定める。
「司令!! 我々も艦載機を出したら如何ですか?」
「よし。 艦載機部隊発進!!」
「艦載機部隊発進!!」
 巨大戦艦の下部ハッチが開いてガルバート帝国の艦載機が無数に飛び立っていく。



「将軍!! 巨大爆雷が投下されました」
 兵士が報告した。
「主砲で破壊しろ!!」
「お待ちください」
 副官が反対意見を唱えた。
「待てだと!!」
「はい。 主砲を打てば、敵に居場所を教えるようなものです」
「では、如何するのだ!?」
「総統閣下の戦法を使うのです」
「デスラー戦法か…… 瞬間物質移送機で送り返すのか」
「アレだけの数を全部送り返すのは不可能です。 総統閣下の旗艦やドメラー艦隊総司令のガルマン・ヤマトかタラン副総統のグレート・デスラーガミラシア並みの出力があれば余裕で送り返せるのですが……」
「此の作戦が成功して凱旋した時にデスラー総統に頼むとしよう」
「では、早いところ任務を完遂しましょう」
 ガルマン帝国のバラン奪還の為の戦いが本格的に始まった。
通常空間ではヤマトが…… 亜空間からは、ガルマン帝国がガルバート帝国の巨大戦艦を狙う。
 戦いの火蓋は、切られたばかりなのだ。

0 件のコメント: