第28章

「敵大編隊接近!!」
 サーシャが報告する。
「コスモタイガー隊、全機発進!!」
「加藤!! 任せたぞ」
『全機の全力挙げて何とかしてみます』
 ヤマトからコスモタイガー隊が発進していく。
 発進後直ぐに編隊を組んで飛行を開始する。



「全機!! 隙を見せるんじゃないぞ。見せたら撃墜されるぞ!!」
『『『『『了解!!』』』』』
「全機機銃及びミサイル誤発射防止装置解除!!」
 コスモタイガーの全機が保安装置を解除した。
 コスモタイガーが編隊を組んで敵機をロックする。
「全機攻撃開始!!」
 コスモタイガー隊と敵機の空中戦が開始された。
 圧倒的な数でコスモタイガーへ襲い掛かるガルバート機。
 其の様は、肉食動物が群れて草食動物を襲うように見えた。
「絶対にケツをとられるなよ!! とられたら終わりだぞ」
 加藤が言う。



「我が航空隊優勢!!」
 兵士が報告する。
「第二次、第三次爆撃隊の発進は如何しますか?」
「第二次、第三次爆撃隊発進!! 目標ヤマト」
「第二次、第三次爆撃隊発進!! 攻撃目標ヤマト」
 ガルバートの空母群から新たに爆撃機が発進していく。
 その攻撃目標はヤマト……



「敵空母より新たな艦載機が発進!!」
 サーシャが報告する。
「敵の規模は? 目標は?」
「敵機の総数2000機!!」
「2000機だって!!」
「相原!!」
「はい。こちらヤマト。加藤さん聞こえますか?」
『こちら加藤!!』
「敵空母から新たな艦載機が発進しました。気をつけてください」
『何機だ!?』
「新たに発進した数は2000機です」
『2000機だと!! 今の相手だけでも手一杯なんですよ』
「敵機、コスモタイガー隊に目もくれず本艦に突っ込んできます」
「加藤さんは、そのまま相手を続けていてください」
 そう言っている間にも敵機の大編隊が迫ってくる。
「敵機、本艦の最大有効射程距離に入りました」
「全主砲発射!!」
 ヤマトの主砲が一斉に火を噴いた。
 密集して飛行してくる敵機を粉砕していく。
 密集していて尚且つ数も多いので一度に撃墜できる数も多い。
「敵機接近!! 主砲だけでは対応できません」
「よし。バリアミサイル発射!!」
「バリアミサイル発射!!」
 ヤマトの艦首ミサイル発射管からバリアミサイルが発射される。
 敵機もミサイルを発射する。
 敵ミサイルは、バリアミサイルが作ったバリアに防がれる。
 だけど大量のミサイルの為、バリアを抜けてくる。
「敵ミサイル、バリアを抜けてきます」
「バリアミサイル、第二弾用意」
「待て!!」
「何故ですか!?」
「この距離では、役にたたん」 
「敵機ミサイル命中します」
 次の瞬間、ヤマトに敵機のミサイルが絶え間なく襲い掛かった。
「艦首被弾!!」
「反転しつつパルスレーザー掃射!!」
「パルスレーザー掃射開始」
 パルスレーザーが掃射され敵機を撃ち落していく。
其れでも掃射を掻い潜ってミサイルを撃ち込んでくる。
「被弾箇所の隔壁閉鎖急げ!!」
 真田は、ダメージコントロールの指示を出す。



「我が軍の攻撃圧倒的優勢!!」 
「当然だ!! あんな田舎戦艦相手に苦戦してたまるか」
「司令、第一次爆撃隊がヤマトの艦載機部隊によって壊滅状態です」 
「おのれぇ。第6次まで発進!! 完膚なきまで叩き潰せ!」
 新たな戦闘機部隊が発進していく。
 総勢5000機近くの敵機の相手をすることになるヤマト。

 はたしてヤマトは、この障害を乗り越えてマゼラン星雲へ行くことが出来るのだろうか?

第27章

「司令!! 全艦発進準備、整いました」
 兵士が、司令に言った。
「全艦、抜錨!! [七色星団]へ進路をとれ!!」
 ウェストワルドは、命じた。
大マゼラン雲の基地から空母を主力とする艦隊が血戦の地、[七色星団]へ向かって発進して行った。
「待っていろ、ヤマト!! [七色星団]を貴様の墓場にしてくれる」
「司令!! ワープ可能宙域まで後、50万宇宙キロです」
「よし。 ワープ可能宙域に達し次第、[七色星団]へワープだ!!」
 ガルバート帝国の空母艦隊は、ワープ可能宙域へ向かっていく。



「ワープ終了!!」
「よし。 全兵士に一時の休息を与える。 交代で血戦に備えよ!!」
「司令!! 念のため、監視衛星を宙域に配します」
「監視衛星を配置せよ」
 ガルバート帝国の旗艦から監視衛星が宙域に発射された。
暫くして監視衛星からの情報が入ってきた。
 監視衛星からの映像がスクリーンに映し出された。
スクリーンには、銀河系…… 太陽系方面の映像が映し出せれる。
「ふっふっふっふっ。 綺麗な宙域だ」
「司令!! 宙域に機雷を撒かれては、如何ですか?」
「良かろう。 機雷をばら撒け!!」
「はっ!! 宙域に機雷をばら撒け!!」
 副官が、司令の命令を伝達する。
艦隊から、機雷を満載した輸送艦が機雷撒布の為、艦隊の前方に移動した。
「輸送艦へ…… 機雷を全部吐き出せ!!」
『了解!! 全機雷を射出します』
 輸送艦から大量の機雷が射出された。
射出された機雷は、旗艦からコントロールされ宙域に散らばる。
 其処で副官が更に進言する。
「司令、もう一つ設置したいものがあります」
「何だ!?」
「空間干渉装置です」
「其れを設置したら我方にも影響するのではないのか?」
「いいえ。 我が方には、何の影響もありません。 影響があるのは、ヤマトの方です」
「ヤマトの砲撃を逸らすよう設定して配置しろ!!」
「砲撃を逸らすだけで良いのですか!?」
「砲撃を逸らすだけで良い。 どうせ、機雷群に阻まれるのだからな……」
「はっ。 ヤマトの砲撃を逸らすよう設定して設置します」
 彼は、知らない。
ヤマトが、空間干渉装置を使った敵と戦った事があることを……



「そぉら、アナライザー、もっと飲め!!」
 佐渡は、相変わらずアナライザーを酒の共にしていた。
「うぃ~」
 ロボットなのに妙に人間くさいアナライザー。
「おぉ、ミーくんも飲め!!」
「佐渡先生!! 決戦前日の昼間から飲まないでください」
「大谷くんも飲め!!」
「先生!! 之は、没収します」
 そう言って、佐渡から酒瓶を取り上げる大谷。
「わしの酒……」
「此の酒は、戦いが終わるまで艦長に預けておきます」
「返せ!! ワシの酒」
 大谷は、佐渡から取り上げた酒を持って医務室を出て行った。
「あぁぁっ……酒が……」
 佐渡は、がっかりした素振りをする。


 そして、数分後……。
 艦長に佐渡の酒を預けてきた大谷が戻ってきた。
「大谷!!」
「何ですか!? 佐渡軍医長!!」
「お前さんは、第二治療室で治療に当たるんじゃ」
「理由をお聞かせください」
「今度の戦いは激戦が予想される」
「其れは、分かります」
「当然ながら負傷者も相当な数が出るじゃろう……」
「分かりました。第二治療室は、お任せください」
 大谷は、持ち場である第二治療室に向かった。



「[七色星団]まで、後30分!!」
 島が報告する。
「副長!!」
「はい。ヤマトの全戦士に告ぐ!!」
 副長が全戦士に語る。
「後30分で敵と接触する。総員第一級戦闘体制の上、持ち場に就け!!」
 ヤマト艦内に第一級戦闘体制が敷かれる。
 ヤマトの戦士たちが自分の持ち場に就く。




「ヤマトよ墓場へやってきたか!! 此処が貴様の墓場だ」
「司令!! 爆撃機隊を発進させますか?」 
「少し早いが料理を開始しろ!!」
「はっ!! 第一次爆撃隊発進!!」
 ガルバート帝国の空母艦隊から第一次爆撃隊が発進していった。
「第二次爆撃隊以降も発進準備の上待機!!」  
「第一次爆撃隊全機発進していきました」
 第一次爆撃隊の総機数1000機がヤマトへ襲い掛かる事になる。