第24章

「司令!! 敵艦隊が後退していきます」
「構うな!! 攻撃を続けろ」
「はっ!!」
「敵艦、反撃能力が落ちています」
「なかなか、沈まないな……」
「如何なさいますか?」
「本艦以外は、砲撃を続けろ。 止めは、私自らさす」
 ホルギリスは、自ら止めをさすという。
「ガルバート砲、チャージ!!」
「ガルバート砲のエネルギーチャージを開始します」
 ガルバート艦の旗艦でエネルギーが高まる。



「ネオ・波動砲発射用意!!」
「ネオ・波動砲発射用意」
「ネオ・波動砲への回路開きます」
 徳川は、コンソールを操作して波動砲へエネルギーを送り始める。
「電算室!!」
 斉藤は、電算室へ指示を出す。
バラン星に影響の無い発射角を割り出す為……
「ネオ・波動砲、エネルギー充填30%!!」
『此方、電算室。 空間探査担当』
「此方、第一艦橋」
『現在位置から上下角+-20、左右角+80ならバラン星に影響ありません』
「よし。 発射準備を急げ!!」
「新アフターバーナー点火!!」
 新アフターバーナーを使ってエネルギー充填を急ぐヤマト。



「ガルバート砲、エネルギー充填100%」
「ガルバート砲、発射90秒前」
 ガルバート旗艦では、ガルバート砲の準備が進められる。
「後、60秒で全て終わりだ……」
「ガルバート砲、臨界点まで後、60秒」



「ネオ・波動砲、エネルギー充填200%」
「ネオ・波動砲発射60秒前!!」
 ヤマトの艦首にエネルギーがどんどん集まってゆく。
『艦首ミサイル発射管被弾!!』
『第二砲塔損傷!!』
「エネルギー充填360%」



「司令!! 敵艦、沈黙。 反撃能力も無い模様」
「よし。 砲撃やめ」
 司令の命令と共にガルバート艦からの砲撃が止んだ。
艦橋の窓からは、いたる所から煙を噴き上げているヤマトが見えた。
「ガルバート砲発射20秒前!!」



「ネオ・波動砲、発射準備完了」
「ネオ・波動砲、発射20秒前。 総員、対ショック、対閃光防御!! 電影クロスゲージ明度20」



「司令!! 小ワープさせた艦の乗員脱出完了しました」
「よし」
「ガルバート砲、発射10秒前」
 ガルバート旗艦でカウントダウンが始まる。



「ネオ・波動砲発射10秒前」
 ヤマトでもカウントダウンが始まる
「10、9、8、7、6」



「5、4、3、2、1」
「発射!!」
 司令は、0と共に発射ボタンを押した。
すると、ガルバート旗艦から強力なエネルギーがヤマトへ発射された。



「2、1、発射ぁ!!」
 斉藤も0と共にトリガをひいた。
するとヤマトの艦首からうねりを上げて強力なエネルギーが発射された。
 発射されたエネルギーは、ガルバート艦隊へ伸びていった。



 ガルバート旗艦から発射されたエネルギーもヤマトへ伸びていった。
ある程度、進んでいったところで、双方のエネルギーは衝突した。
 ヤマトの発射したネオ・波動砲の方に威力があった為かガルバート砲を飲み込んでガルバート艦隊へ襲い掛かった。



「司令!! 敵の超強力エネルギーがきます。 回避間に合いません」
「ぐわぁぁぁっ!!」
 司令の悲鳴と共にガルバート艦隊は、ヤマトのネオ・波動砲に飲み込まれていった。
 直撃を免れた艦も強力なエネルギーの奔流に巻き込まれ次々爆発していった。
 そして、ネオ・波動砲の去った後にはガルバート帝国の艦は、1隻も残っていなかった。



「敵部隊、反応消失!!」
「敵、艦載機部隊撃破!!」
 時を同じくしてコスモタイガー隊から敵機の撃破の知らせが入ってきた。
「バラン星からの脱出艦を確認!! 基地を放棄するようです」
 太田が報告する。



「司令!! 司令部が壊滅しました」
 兵士が報告する。
「全艦、全速で此の宙域より離脱!! 決して、交戦はするな!! 我々は、此の情報をブリュンスタ大提督へ届けなければならない」
 脱出した残存部隊の司令が戦闘宙域からの離脱を命じた。
バラン星宙域の戦闘は、終了した。



「生活班、死傷者の確認を行え!!」
 ヤマトでは、戦闘での死傷者の確認を行った。
『此方、医務室の佐渡じゃ!! 確認は、すんどるぞ』
 宮川が確認するよう通信しようとした時、医務室から連絡が入った。
「佐渡先生、報告をお願いします」
『死者は、3名。 重軽傷者は、10名じゃ』
「其の死者は、何処の配置ですか!?」
『下部第一砲塔の砲手じゃ』
「報告有難うございます」
「技師長!! 艦の修理の指揮をお願いします」
「了解!!」
 真田は、艦の修理式の為、第一艦橋から出て行った。

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