第23章

「司令!! 敵艦、浮上しました」
「全艦、砲撃開始!!」



「将軍!! 浮上しました」
「よし。 全艦、デスラー砲発射!!」
 グラルバジャルは、デスラー砲の発射を命じた。
ガルマン帝国のアスタル級次元潜航戦艦から伝家の宝刀デスラー砲が発射された。
 発射されたデスラー砲は、ガルバートの戦艦へ襲い掛かった。



「司令!! 敵艦隊から強力なエネルギーが来ます。 ご指示を……」
「そんな砲撃、避けるまでもない」
 だが、予想に反した事が起こった。
直撃を受けた艦が蒸発したのだ。
「見方艦十隻轟沈!!」
「何故、あの程度の砲撃で我が方の艦が沈むんだ!!」
「我々が、持っているデータが古かったようです。 今の砲撃は、我々が持っているデータより強力でした」
「こうなったら、あの艦を先に沈める。 全艦全力砲撃で、あの艦を沈めろ!!」
 ヤマトへ集中攻撃を命じるホルギリス。
「全艦砲撃準備完了!!」
「砲身が解けるまで撃ち続けろ!!」
 ガルバート帝国の戦艦群の主砲が一斉に火を噴いた。



「右舷被弾!!」
「左舷装甲板剥離!!」
 敵の集中砲火でヤマトは、損傷していく。
「艦載機隊、押し戻しています」
 形勢が不利だった艦載機隊が押し戻しているようだ。
「艦長!!」
「技師長!! 超爆縮波動カートリッジ弾は仕えるか?」
「問題ない。 使えます」
「よし。 全主砲の弾丸を超爆縮波動カートリッジ弾に変更だ!!」
「全主砲、第一砲塔から順次、超爆縮波動カートリッジ弾に切り替えよ」
 副長は、第一砲塔から順次、超爆縮波動カートリッジ弾に切り替えるよう命じた。
 その間にもヤマトは、被弾していく。
『此方、第一砲塔。 超爆縮波動カートリッジ弾への装換完了!!』
 装換完了の報告が第一砲塔から来る。
「各砲へ。 装換完了次第命令を待たずに撃て!!」
 斉藤が各砲へ練達する。
装換が終わった第一主砲が火を噴いた。
 発射された弾丸は、一直線に敵艦へ突き進んだ。
そして、巨大な敵戦艦を一射撃で1隻蒸発させた。



「司令!! 我が方の戦艦1隻が敵の砲撃で轟沈しました」
「たかが1隻。 気にするな!!」
「ですが……」
「五月蝿いぞ!!」
 そう言って、銃を抜いて部下に突きつける。
「いえ。 聞いていただきます。 見方の沈み方が異常なのです。 普通の砲撃では、あんな風には沈みません」
「確かに我らの艦は、何度も砲撃を打ち込まないと沈まん」
「だから、異常なのです。 早く対策を取らないと全滅してしまいます」
「止むえん。 5番艦、6番艦!! 敵戦艦の至近距離へ小ワープ!!」
 敵艦の至近へ小ワープを命じるホルギリス。
5番艦と6番艦が空間を歪めて小ワープして行く。



「大変です。 敵艦2隻がワープしてきます」
 其の直後、2隻の敵艦がヤマトの左右に出現した。
「側舷ミサイル発射します」
「待て!! 此の距離で撃ったこっちも被害を受けしまう」
 側舷ミサイルの発射を止める真田。
「艦長、左右の敵艦から脱出艇が多数出ています」
「敵は、我々を何らかの兵器で葬るつもりだ」
 ズズゥン!!
 敵の砲撃は、続く。
『此方、第三艦橋。 下部第一砲塔被弾!! 砲撃不能』
「艦長!!」
 副長が指示を求める。
「相原!! ガルマン艦隊に退避するよう伝えろ!!」
「了解!! ガルマン艦隊に退避するよう伝えます」
 そう言って、ガルマン艦隊に通信を送る相原。



「将軍!! ヤマトより通信です」
「読め!!」
 通信を読めと言うグラルバジャル。
「直ちに安全宙域まで後退されたし」
「ヤマトは、何かをするつもりだ…… 全艦、交戦しつつ後退せよ!!」
 グラルバジャルは、交戦しつつ後退するよう命じた。
ヤマトは、いったい何を撃とうとしているのか!?

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