第19章

 ヤマトは、バラン宙域に近づきつつある。
ガルマン艦隊が必死で追いかけてきている事をまだ知らない。
「艦長!! 間もなく第一級戦闘体制移行時間です」
 副長が報告した。
古代は、マイクのスイッチを入れ告げた。
「此方艦長…… 之よりヤマトは、第一級戦闘体制へ移行する。 総員、配置につけ!!」
 艦内にアラームがなり戦士達が其々の持ち場へつく為に駆けずり回る。

「急げぇ!!」
「遅れんな!!」
「敵艦は、俺たちの班が静めてやるぞ!!」
 皆、口々に駆け回り自分達の持ち場に飛び込んでいく。



「将軍!! まだ、ヤマトに追いつけません」
 ワープにワープを重ねてもヤマトに追いつけないがルマン艦隊。
「ワープだ!! 次のワープの用意だ!!」
「将軍、これ以上のワープは、不可能です」
「不可能でもヤレ!! 之は、デスラー総統の命令でもあるのだぞ」
「では、30分ほど兵士達に時間をください」
「そんな時間はない」
「機関整備の為の時間です。 エンジンが不調になったらいけません」
 機関整備を理由に兵士達の休憩時間を稼ごうとする副官。
「いいだろう。 30分後には大ワープを行うからな……」
「有難うございます。 将軍」
 副官は、兵士達を休ませる口実を得たのだった。
其れから、30分。 兵士達は、整備をするふりをしつつ休憩を取った。
「司令。 各機関の整備、完了しました」
「よし。 バラン宙域へ向けて最後のワープを行う」
 一斉にワープ空間へ消えるガルマン艦隊。
彼らは、ヤマトの恐るべき戦闘力を目の当たりにする事をまだ知らない。



「島!! 停止だ!! 敵の監視衛星を調査する」
「了解。 旗艦停止!!」
 島は、制動をかけた。
ヤマトが、其の巨体を停止させる。
「電算室!! 監視衛星がないか確認急げ!!」
『了解!! 確認急ぎます』
 電算室から返事が変えてくる。



「中嶋!! 遠野!! 敵の監視網がないか確認を急げ!!」
 電算室長が二人に命じる。
探査を始めて直ぐに声が上がった。
「電算室長!! ヤマトの前方1000宇宙キロに監視衛星群を発見しました」
「監視衛星の数は?」
「約、200ほどです」
 敵の監視衛星の数は、200を数えた。
「既に、此方の動きを掴まれていると見たほうが良いな」
 そう言って、報告する電算室長。



『……と言うわけで、敵に掴まれている可能性が高いです』
「そうか…… 引き続き調査し、随時報告せよ!!」
『はい。 引き続き調査します』

「艦長。 既に敵に我々の位置を知られているようです」
「加藤!! 出撃できるか?」
『艦長。 何時でも発進できます』
「よし。 コスモターガー隊発進!!」
「コスモタイガー隊発進!!」
 命令を受けて発進するコスモタイガー隊。



「コスモタイガー隊全機発進!!」
 加藤が、全機に指令する。
「全機、よく聞け!! 俺たちの任務は、敵の監視衛星の破壊だ!! 当然、警戒も厳しいだろう。 単独行動は、するな!! 複数機で編隊を組で攻撃しろ!!」
 加藤が、隊員に注意を促す。
今、戦いの火蓋が切られようとしている。

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