ヤマトは、バラン宙域に近づきつつある。
ガルマン艦隊が必死で追いかけてきている事をまだ知らない。
「艦長!! 間もなく第一級戦闘体制移行時間です」
副長が報告した。
古代は、マイクのスイッチを入れ告げた。
「此方艦長…… 之よりヤマトは、第一級戦闘体制へ移行する。 総員、配置につけ!!」
艦内にアラームがなり戦士達が其々の持ち場へつく為に駆けずり回る。
「急げぇ!!」
「遅れんな!!」
「敵艦は、俺たちの班が静めてやるぞ!!」
皆、口々に駆け回り自分達の持ち場に飛び込んでいく。
◇
「将軍!! まだ、ヤマトに追いつけません」
ワープにワープを重ねてもヤマトに追いつけないがルマン艦隊。
「ワープだ!! 次のワープの用意だ!!」
「将軍、これ以上のワープは、不可能です」
「不可能でもヤレ!! 之は、デスラー総統の命令でもあるのだぞ」
「では、30分ほど兵士達に時間をください」
「そんな時間はない」
「機関整備の為の時間です。 エンジンが不調になったらいけません」
機関整備を理由に兵士達の休憩時間を稼ごうとする副官。
「いいだろう。 30分後には大ワープを行うからな……」
「有難うございます。 将軍」
副官は、兵士達を休ませる口実を得たのだった。
其れから、30分。 兵士達は、整備をするふりをしつつ休憩を取った。
「司令。 各機関の整備、完了しました」
「よし。 バラン宙域へ向けて最後のワープを行う」
一斉にワープ空間へ消えるガルマン艦隊。
彼らは、ヤマトの恐るべき戦闘力を目の当たりにする事をまだ知らない。
◇
「島!! 停止だ!! 敵の監視衛星を調査する」
「了解。 旗艦停止!!」
島は、制動をかけた。
ヤマトが、其の巨体を停止させる。
「電算室!! 監視衛星がないか確認急げ!!」
『了解!! 確認急ぎます』
電算室から返事が変えてくる。
◇
「中嶋!! 遠野!! 敵の監視網がないか確認を急げ!!」
電算室長が二人に命じる。
探査を始めて直ぐに声が上がった。
「電算室長!! ヤマトの前方1000宇宙キロに監視衛星群を発見しました」
「監視衛星の数は?」
「約、200ほどです」
敵の監視衛星の数は、200を数えた。
「既に、此方の動きを掴まれていると見たほうが良いな」
そう言って、報告する電算室長。
◇
『……と言うわけで、敵に掴まれている可能性が高いです』
「そうか…… 引き続き調査し、随時報告せよ!!」
『はい。 引き続き調査します』
「艦長。 既に敵に我々の位置を知られているようです」
「加藤!! 出撃できるか?」
『艦長。 何時でも発進できます』
「よし。 コスモターガー隊発進!!」
「コスモタイガー隊発進!!」
命令を受けて発進するコスモタイガー隊。
◇
「コスモタイガー隊全機発進!!」
加藤が、全機に指令する。
「全機、よく聞け!! 俺たちの任務は、敵の監視衛星の破壊だ!! 当然、警戒も厳しいだろう。 単独行動は、するな!! 複数機で編隊を組で攻撃しろ!!」
加藤が、隊員に注意を促す。
今、戦いの火蓋が切られようとしている。
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