第17章

「司令長官!! ガルバリア戦隊が戻ってまいりました」
 偵察艦隊の参謀が報告した。
「帰還したら、司令官を私のところへ来るよう伝えておけ!!」
「はっ!!」
 少しして、司令部にガルバリア戦隊の司令官が現れた。
「偵察艦隊司令長官がお呼びだ!!」
「司令長官が!?」
「旗艦の司令長官室へ行け!!」
「はいっ。 参謀閣下」



 偵察艦隊旗艦に其の司令部はある。
そして、其の旗艦にガルバリア戦隊の司令は、呼ばれた。
「司令長官!! お呼びですか!?」
「偵察の結果を報告してくれ!! ガルバリア戦隊司令、グリモアー」
「ご報告します。 ご命令どおり太陽系近海で偵察任務を遂行しました」
「ハイペロン爆弾は、如何なった?」
 ハイペロン爆弾のことを効くグリゴール。
「では、之をご覧ください。 我が部隊が撮影した映像です」
 そう言って、映像を見せるグリモアー。
「何だ!? アレは……」
「分かりません。 謎の超兵器で我が帝国のハイペロン爆弾を粉砕後に現れました。 深入りは危険と判断し、引き上げました」
「其の判断は、正しかっただろう」
 映像を見て語るグリゴール。
「此の情報は、本国に送る。 皇帝陛下の判断を仰ごう」



「皇帝陛下、偵察艦隊から緊急連絡です」
「読め!!」
「はい。 我が帝国のハイペロン爆弾、敵の超兵器で粉砕された直後、ブラックホール発生せし。 安全の為、撤退し候。 皇帝陛下の判断を仰ぎたきし候」
 電文の内容を読むグリジアーノ。
「出てきたか……」
「はぁ?」
「我が帝国を崩壊へと誘う悪魔の戦艦よ」
「悪魔の戦艦ですか?」
「そうだ、あの戦艦によってバラン防衛基地は陥落する」
「地球と我が帝国とでは、埋めようの無い圧倒的な力の差があります」
「彼のズォーダーも圧倒的な力の差がありながら負けておる。 力の差など当てに出来ん。 最後に勝つのは覚悟の差だ!!」
「陛下、返信は如何しますか?」
「『敵を格下と侮るな!! 侮れば、足元をすくわれる』とな……」
「はっ。 直ちに返信します」



「う~む。 周囲に残骸はないな」
 ヤマトは、撃破したハイペロン爆弾の状況を確認していた。
「周囲に残骸はありません。 撃破出来たと思われます」
「よし。 引き続き探査をしろ!!」
 古代は、電算室の安部に命じた。



「司令!! 要塞の修理、完了しました」
 ガルマン兵は、報告した。
「よし。 全兵士に交代で休みをとらせろ!!」
「はっ」
 要塞の修理改修を終えた兵士に休みを与えるよう言ったアールフレッド。
司令席で一息つくアールフレッド。
「司令こそ、休みを取られては?」
 副官が、司令に言う。
「そうだな…… 後の指揮は、任せた」
 そう言って、アールフレッドは、司令長官室へ下がっていった。



『ホルギリス!!』
「はっ!!」
『後、5日余りでヤマトが来る。 準備は、良いだろうな!?』
「既に準備は出来ております」
『お前の血の気の多さを存分に発揮する時が間もなく来る。 バランの地上にミサイルの配備は済んだか?』
「はい。 バランの地上に数千のミサイルを配置完了しております」
『偵察艦隊からの情報だ!! 参考までに聞くがいい』
 そう言って、偵察艦隊司令に変わるブリュンスタ大提督。
『ヤマトに波動砲を使わせるな!! 使わせる布陣をすれば、あっという間に雌雄が決するだろう。 常にバランを背に戦え。 波動砲を使える位置に布陣させるな』
『以上が、偵察艦隊からの情報だ。 其れを生かすも、殺すも、お前しだいだ! ホルギリス!!』
「はっ。 偉大な皇帝陛下の為に……」



作戦室で、デスラー、キーリング、ドメラー、フラーケン、ウラウルフが集まって会議を行っていた。
「総統、バランを奪還する部隊ですが……」
 キーリングがデスラーに聞いた。
「ドメラー。 艦隊総司令として案は無いか?」
「はい。 奪還は、奇襲で持ってしなければなりません。 敵も奇襲を警戒指定は図です。 其処で、ガルマンウルフの艦隊を出すのが一番です」
「お待ちください。 ドメラー元帥!! 幾ら我が艦隊がステルスでも射程が足りなければ直ぐに壊滅してしまいます。 せめて、総統閣下の艦などに装備されている超射程兵器が無ければ……」
「確かに、ガルマンウルフの言うとおり超射程、超破壊力のある装備を付けずに出撃させることは、技術者としてもお勧めできません」
「ウラウルフ!! 其れを一日で成し遂げることは、出来るか?」 
「全ての動力をつぎ込めば、100隻ほど出来るでしょう」
「よし。 直ちに全作業をバラン奪還艦隊の改装に切り替えろ!!」
「はっ!!」
 ウラウルフは、次元潜行戦艦を改造するため作戦室を出て行った。
ステルス次元潜行戦艦をステルス次元潜行狙撃戦艦に改造するために……

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