「ガルバート帝国のバラン基地の全兵士に告ぐ!! 数日後、ヤマトと総力戦を行う。 凄まじい戦いが予想される。 皇帝陛下の為に地球を我らの手中に収めるのだ!!」
「「「おおぉぉぉっ」」」
ホルギリスは、兵士達の士気をあおる。
「いいか!! 勝利は!?」
「「「「ガルバート帝国に」」」」
「宇宙の支配者は!?」
「「「「皇帝陛下」」」」
「そうだ。 偉大なる皇帝陛下だ!! 支配者たる我らから見て地球人は?」
「「「「「原始人」」」」」
「「「「文明遅れ」」」」
「「「「猿人」」」」
兵士達は、見下した言葉を次々言う。
「地球人は、我らに奉仕する事が有史以来の決まりごとだ!! 我らに歯向かう者は容赦なく殺せ!! 宇宙の支配者が誰であるか、支配されるのがどっちであるかをな……」
◇
圧倒的な戦力で待ち構えている事も知らずにヤマトは、バラン星に近づきつつあった。
「副長!! 後、3時間でバラン宙域に入ります」
島が、副長に報告した。
古代は、艦長室に下がっていていない。
「艦長!! 至急第一艦橋へお越しください。 間もなくバラン宙域に入ります」
宮川が放送で呼ぶと古代は、艦長室から降りてきた。
艦長席に着いた古代は、命じた。
「総員、第二級戦闘体制!!」
「第二級戦闘体制へ」
ヤマトが第二級戦闘体制へ移行した事が艦内放送で伝えられる。
平時から戦闘体制へ移行しつつある。
「此方、艦長!! ヤマトの戦士諸君に告ぐ。 本艦は二時間後に第一級戦闘体制へ移行する。 準備を怠るな!! 加藤、コスモタイガー隊は万全か?」
『整備は、抜かりありません』
加藤の返事が返ってくる。
「斉藤!! 各兵装問題ないか?」
「航行中にも旋回テストを自動、手動でやりましたが問題ありません」
「徳川!!」
「はいっ」
「機関は、問題ないか?」
「左右両方のエンジンは、問題なく動いています」
「よし。 中央作戦室!!」
『何でしょうか!?』
「作戦は、出来上がったか?」
『今までに何度もシミュレートしています』
「今のところ、どのプランが当方の被害を軽減できるか?」
『サーシアの力を借りて立案した15号作戦が良いかと思います』
「15号と言うと艦載機で奇襲を掛けつつヤマトは、次元潜行して敵に接近、殲滅する作戦だったな……」
『はい。 敵も奇襲を警戒しているはずです』
「艦載機を危険にさらすわけにもいかないな……」
(波動砲は、撃たせてはくれないだろう)
「艦長!! こんな事になるかもと思って主砲の射程を1000万宇宙キロに伸ばしておいた」
真田の専売特許、“こんな事もあろうか”が炸裂した。
「何時の間に、射程を延ばしのですか?」
「いや。 土方たちの提言でな……」
主砲の射程延長を提案したのは、土方と山南だった。
「土方と山南が!?」
「聞くところによると第二砲塔の沖田との三人の提案だ」
「まさか……」
「其のまさかだ!! 沖田提督の孫だ」
「沖田艦長の」
古代は、納得できた。
彼の沖田十三の孫だったからだ。
「彼は、土方や山南に負けず劣らず優秀だぞ」
「今すぐに作戦室に呼んで、作戦を練り直させます」
緊急に作戦を練り直す事になったヤマト。
2時間で、新たな作戦が練りなおせるのか?
◇
「デスラー総統!! 我が軍の監視衛星がヤマトの出撃を捕らえました」
キーリングがデスラーに報告する。
「そうか…… 出撃して行ったか」
「はい」
「キーリング!! ウラウルフを呼べ」
「直ちに呼びます」
そう言ってウラウルフを呼び出すキーリング。
「お呼びですか? 総統!!」
「君に頼んだ仕事は、出来たかね?」
「はい。 苦労しましたが完成しました」
「よし。 直ちにバラン奪還艦隊のグラルバジャルに出撃を命じろ!! 戦闘開始前にヤマトと合流せよと」
◇
「将軍!! 全艦発進準備整いました」
バラン奪還艦隊の副官が報告した。
「よし。 全艦発進!!」
「全艦発進!!」
ガルマン星からバラン奪還艦隊が飛び立っていく。
激戦が待ち構えているバラン宙域へ……
艦隊が飛び立って少しするとアラームがなった。
ワープ可能宙域に出た合図だ。
「全艦、バラン宙域へ大ワープ!!」
グラルバジャルは、ワープを命じた。
命令と共に次々、ワープ空間へ消えていった。
(ガミラスに弓を引いたことを後悔させてやる)
ワープ中、手から血がにじむくらい強く握っていたグラルバジャルの姿があった。
果たして、彼らはヤマトが戦闘を開始する前に合流する事が出来るのだろうか?
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