第16章

『此方、電算室!! 恐ろしい速度で接近するハイペロン爆弾を捕らえました』
 電算室から報告がある。
「副長の宮川だ!! 詳しく報告してくれ」
『ヤマトの進行方向、左10度から接近しています。 後、30分で接触します』
「わかった。 艦長に報告する」
 そう言って、宮川は古代を呼んだ。
「艦長、至急第一艦橋へお越しください。 ハイペロン爆弾が接近中です」
 少しして、古代が艦長室から降りてきた。
「宮川!! 総員を配置に就かせろ!!」
「はい。 総員戦闘配備!!」
 ヤマト艦内に警報が鳴り響く。
「島、停止だ!!」
「よおそろ」
 島は、操縦桿を押してヤマトを止めた。
「斉藤!!」
「はいっ!!」
「トランジッション波動砲発射用意!!」 
「機関長!! トランジッション波動砲へのエネルギー注入お願いします」
「トランジッション波動砲へエネルギー注入開始!!」
コンソールパネルで波動砲へエネルギーを注入開始する徳川。
「トランジッション波動砲エネルギー注入50%」
 コンソールで注入状況を確認する徳川。
「波動砲薬室内、圧力上昇!!」
「チャージャ接続!!」
 チャージャを使って充填を急ぐヤマト。



「司令、1光年先に“ヤマト”を捕捉しました」
 ガルバリア戦隊の兵士は、報告した。
ガルバリア戦隊は、ワープで先回りしていた。
「ハイペロン爆弾、本戦隊の後方、3光年に接近!! ヤマトと接触まで後、10分!!」
「万が一に備え、ハイペロン爆弾とヤマトの軸線から退避!!」
 退避を命じる司令。
「ハイペロン爆弾、通過します」
 退避した戦隊の遥かかなたをハイペロン爆弾が通過する。



「トランジッション波動砲発射準備完了!!」
 斉藤が報告する。
「トランジッション波動砲の有効射程距離まで30秒!!」
「トランジッション波動砲発射30秒前!! 対ショック対閃光防御!!」
 メインクルーがゴーグルをつける。
波動砲の閃光から目を保護するためだ。
「電影クロスゲージ、明度20」
 斉藤は、照準機を覗いてハイペロン爆弾へ艦首を合わせる。
「トランジッション波動砲発射十秒前!!」
 カウントダウンを開始する斉藤。
「5、4、3、2、1、発射ぁっ!!」
 カチッと斉藤がトリガーをひいた。
すると凄まじいエネルギーがヤマトから発射された。
 発射されたエネルギーは、ガルバート帝国のハイペロン爆弾を飲み込み破壊した。
 しかし、凄まじいエネルギーの為、ブラックホールが発生した。



 遥かかなたで偵察していたガルバート帝国の艦にも衝撃が襲った。
「司令、異常重力波を検地しました。 ブラックホールです」
「ブラックホールだと!?」
「はい。 ヤマトが、波動砲でハイペロン爆弾を撃破した直後に発生しました」
「撤収だ!! ヤマトが出てきたことだけでも収穫だ」
「はっ!!」
 一斉に駆動炎を吹き上げて帰って行くガルバリア戦隊。
 ヤマトは、此の部隊の存在に気づいていない。

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