第7章

「諸君、今、我らが銀河系に最大の危機が訪れようとしている」
 デスラーが銀河連邦の議会堂の壇上で言う。
「敵の名は?」
「我々を如何しようというのだ!!」
 情報の少ない加盟国は不安を露にする。
「我らが、銀河を狙うものの名は[ガルバート帝国]……」
 デスラーから明かされる敵政体の名。
「一部の者は、知っていると思う。 敵は、我らに星を明け渡せよ言ってきた」
「本当に明け渡すのか!!」
「私は、あんな奴らに明け渡す気はない。 我らに喧嘩を売ったことを後悔さてやる」

 デスラーの交戦宣言に拍手を送る加盟国の大使たち。
「敵との先頭に際して銀河連邦軍を編成する」
「現有戦力で艦隊を編成しても勝てるのですか?」
「それに対して、保有戦力制限を一時解除する。 各国、戦力を増強しガルマン・ガミラスへ集合せよ!!」
 デスラーの宣言を持って閉会となった。
戦力制限の一時解除を持って各国で軍艦の建造が急ピッチで開始されることになった。


         ◇

「総統、我が軍の再教育をしましょうか!?」
 ガルマン・ガミラス帝国艦隊総司令のドメラーが聞いた。
「それには及ばんよ、ドメラー!!」
「総統、艦隊総旗艦の[グレート・ネオデスラー・ガミラシア]の改装を開始しました」

「ウラウルフ!!」
「はいっ!!」
「新兵器の開発し搭載は出来るか!?」
「物にもよりますが…… 具体的に如何言う物ですか?」
「例えば、デスラー砲をもっと強化することは出来るか!?」
「デスラー砲ですか!? 総統、デスラー砲をもっと強化するのですか?」
「そうだ!! 主砲の射程も更に延ばす」
 デスラーは、更に自らの母艦を強化するようだ。
「射程を延ばすには、電磁投射システムを主砲に組まないといけません」
 電磁投射システム。 其れは、ガルマンが開発した射撃システムだ。
普通の砲撃を加速し打ち出すのだ。 まだ、試験段階の技術なのだ。其れを実戦投入をデスラーは決めた。
「ガルマン最高の技術者であるお前ならやってくれると期待している」
「はっ!! 早速作業に入ります」
「ウラウルフ、ガルマン・ヤマトの改造は進んでいるか!?」
「改造ということは、拡大化改装の事ですか」
「そうだ」
「総統、ガルマン・ヤマトの改装は、難航しております」
「難航だと!!」
「はい。 先の大戦時に急造したため各所に問題が見つかっています」
「問題だと。 何故、放置していた」
「放置していたわけではありません。 当時の戦力増強要因の一つです。其のため質の落ちた鉄板が使用されたためです」
「戦力の増強に重点を置いていたから気づかなかったというわけか……」
「申し訳ありません」
「丁度いい機会だ!! 徹底的に強化せよ」
 デスラーは、ガルマン・ヤマトの強化を命じた。

         ◇

「退屈だ!!」
 ホルギリスは、退屈に押しつぶされていた。
「おいっ!!」
「はっ、はいっ!!」 
「ブリュンスタ大提督からの命令はないのか!?」
「ありません」
「退屈すぎでまがもたん!! ガルマンを挑発しに行く」
「司令!!」
 出て行こうとするホルギリスを呼び止める兵士。
「五月蝿い!!」
 ホルギリスは、自らの乗艦に向かった。

         ◇

「此れからガルマンをからかいに行く!! 第一分艦隊のみ抜錨!!」
 ホルギリスは、命じた。
「ガルマンめ、私が退屈をしないよう楽しませてくれよ……」
 バラン防衛艦隊の第一分艦隊が基地から離れていった。

         ◇

「ホルギリスが退屈に押しつぶされて勝手な行動に出ていなければいいが……」
 ホルギリスの勝手な行動を心配するブリュンスタ大提督。
「良し。 バラン防衛基地へ通信を送れ!!」
「了解!!」
 回路を繋ぐ兵士。
『此方、バラン防衛基地!!』
「おいっ。 ホルギリスは、居るか!?」
 ホルギリスの所在を聞くブリュンスタ。
『先ほど、退屈に耐えかねて出て行かれました』
「行き先は、聞いていないか?」
『確か、ガルマンをからかうと言っていました』
「あの馬鹿!!」
『ひぃ!!』
「お前に行ったのではない。 基地に居ないホルギリスにだ!!」
 ブリュンスタは、起こっていた。
「前部隊が皇帝陛下の指示通りに動いているというのに……」
「懲罰部隊を出しますか?」
「いや、泳がせておく。 ガルマンについても詳しい情報を持っているわけではない。 少しは、情報を持ち帰ってくれないとこまる」
 副官は、ブリュンスタと話す。
「バランの通信兵!!」
『はっ!!』
「ホルギリスに伝えておけ!! 次に身勝手な行動をしたら司令官の任を解くとな」
『わかりました。 伝えておきます』
 返事を聞いて通信をきった。

「後任の候補の選定をしておけ!!」
「はい。 選定作業に入ります」

         ◇

「司令、間もなく銀河系外縁部はいります」
 ホルギリスは、勝手に艦を動かし銀河系へ入ろうとしていた。
「良し。 銀河系中心部方向へワープだ!!」
 次々、艦がワープで消えていく。 だが、彼らはミスを犯していた。
彼らの艦は巨大なのだ。 それだけ敵に気づかれやすいと言うことに……

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