第6章

 ヤマト秘密ドックであるアクエリアス大氷球につた彼らはヤマトを見て驚いた。
「之が、ヤマト……」
「話で聞いていたものと形や大きさが違うぞ!!」
「おいっ!! 所属を言え!!」
 ドックの警備兵が言う。
「空間騎兵隊特殊戦闘部隊。 地球連邦大統領の命でヤマトへ乗り組むことになった」

「し、失礼しました」
「ヤマトの艦長へ取り次いでくれ」
「ヤマト艦長のところへ案内しろ!!」
 一人の警備兵がもう一人の警備兵に言った。

         ◇

「艦長、改装は予定通り進んでいます」
 真田が途中経過を報告する。
其の時、警備兵が入ってきた。
「空間騎兵隊特殊戦闘部隊の隊長をお連れしました」
 警備兵に伴われて隊長が入ってくる。
「あんたが、艦長か!?」
「君は誰だ!!」
「俺は、空間騎兵隊特殊戦闘部隊隊長、土方鴨だ!!」
「君たちの乗艦の報告は聞いていない」
「俺たちが乗り組むのは、長官を通じての大統領命令でな……」
 理由を言う、土方。
「そういう訳だから乗り込ませてもらうぜ!!」
「とりあえず、出撃まで新人達に格闘技の講義でもしておいて貰おう」

         ◇

「全艦抜錨!!」
 グランフィッシュは、命じた。
ガルバート帝国の本星から巨大な戦艦群が次々発進して行った。
「司令。 最初の合流予定地点まで5万光年です」
「よし。 当直以外の者に6時間の休憩時間を与える!!」
 グランフィッシュは、乗員に休憩時間を与えた。

         ◇

「陛下、グランフィッシュが出撃していきました」
 グリジアーノが言う。
「そうか。 では、我が本隊の準備にかかるがよい」
「はっ!! 皇帝陛下、本隊といっても数十万隻もあります」
「ならば、直ぐに作業に入ればよかろう」
「皇帝陛下もご存知と思いますが、我が帝国の艦は全てが桁違いの大きさです。ドックへ入れようにも入れるスペースがありません」
「なら、軌道上で整備を行え!!」
「しかし、軌道上には移民船が停泊しています。 更に、連絡線が多数行き来しておりスペースの確保が出来ません」
 移民宇宙船は、本星の二倍以上の大きさがある。
星系内の居住惑星からの帝国民の収容するから可也の人数だ。
「更に第一ドックは、皇帝御座艦の建造で使えません」
 第一ドックは、帝国最大のドックで同時に複数の艦を整備できる広さがある。
今は、其の全てを皇帝御座艦の建造の為に使っている。
「銀河系までは、時間がタップリある。今は、機関と装甲の整備点検だけで良い」
「では、直ぐに各艦に伝えます」
 グリジアーノは、皇帝の部屋を出て行った。

         ◇

「うぎゃあああっ!!」
「ぐぅえあ!!」
「そんなんじゃ、命が幾らあっても足りんぞ!!」
 新人達は、空間騎兵隊に扱かれていた。
「其れでも超エリートか? 今すぐ、ヤマトから降りろ!!」
「くそっ」
 危険を感じて回避する土方。
「いい腕をしている奴がいるじゃねぇか!! 貴様、名は!?」
 土方が、名を聞いてきた。
「戦術指揮補佐、朽木葵!!」
「朽木か、いい名だな。 出撃まで今より数段上の戦闘技術を叩き込んでやる。其処の屑共と違って見込みがある」
「ありがとうございます。 艦長にもそういわれました」

         ◇

「作業は、如何だ!?」
 真田が作業員に聞く。
「次元潜行制御パネルの設置は、完了しました」
「良し。 回路チェックは?」
「いえ、まだです。 エンジンを動かしてみない事には回路のチェックは出来ません」

「ガルマン・ガミラスの高度な技術だ。テストなしで動くだろう……」
「本当に大丈夫なのですか?」
「今まで、テストもなしに実用化したものがたくさんある」
 それだけ、ガルマン・ガミラスの技術を信頼しているのだ。

 そして、波動砲の改装は、大詰めを迎えようとしていた。
「瞬間物質移送機は、ストライカーボルトに組み込むしかないな……」
 技術者が検討を繰り返していた。
「作業は、如何だ!?」
「あっ、真田技師長。 瞬間物質移送機の設置場所を決めかねています」
「決めかねている? 何処へ積むつもりなのか?」
「検討の結果、ストライカーボルトの中がいいかと……」
「良し、早速作業に当たれ!!」
 波動砲制御室でストライカーボルトが抜かれ瞬間物質移送機を組み込む作業が開始された。
「終わったら作動チェックを忘れるなよ」
 改装と平行して出撃準備行われている。
ヤマト出撃の日は近づいている。

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