第11章

『此方、機関室!! エンジンの改装作業終了』
 機関室から作業完了の報告が来た。
「よし。 徳川!! 最終チェックを兼ねて機動手順の確認をしろ!!」
『了解!!』
「後は、波動砲だけか……」
 ヤマトの改装も波動砲を残すだけとなっていた。

「まだ、終わらないのか!!」
「す、すみません。 瞬間物質移送機の本体を何処に組み込むかで悩んでまして……」
「真田さんに聞けばいいだろう?」
「其れが、自分で考えてやれといわれました」
 悩む作業員。
「本当に、方法はないのか?」
「はい。 いろいろ考えましたが、ありません」
「まだ、あるだろう!? 一箇所だけ……」
「あそこに組み込めるわけありません。 どうやってあの装置を組み込めと言うのですか!? 小さくしなければ、とても組み込めるわけ……」
 はっと気づく作業員。
「如何だ!? あっただろう」
 坂東が言う。
「ありました。 形を変え小さくすればいいだけでした」
「ヤマト出撃は、4日後だ。 急げ!!」
「はっ、はいっ!!」
 其の作業員は、何かに取り付かれたように必死で作業に当たる。
今までの遅れを取り戻すかのように……

         ◇

「むかつく!! 何時になったら戦えるんだ!!」
 ホルギリスは、司令長官室で荒れていた。
司令長官室の調度品などが壊れ散らかっていた。
「司令……」
「五月蝿い!! お前も、私を馬鹿にしに来たのか!?」
 如何やら、ホルギリスは馬鹿にされていたようだ。
「出て行け!!」
 兵士達も手を付けられない状況のようだ。

         ◇

「司令!! 本国から届いた資材で要塞の修理、完了しました」
 兵士は、報告した
「作業員に急速を与えよ!!」
「しかし、提督。 本国命令で、要塞の装甲をテクタイト板で覆えとのことです」
「兵士達に休息を与えるのは、先になるな……」
 アールフレッドは、申し訳なさそうに言った。
「兵士達よ、疲労の溜まっているところ申し訳ない。 もう一働きしてもらう。 本国からテクタイト板かが届いた。 其れを要塞の周りに張ってほしい。 無論、交代制でやってもらう。 第二班、第三班には、急速を与える」
 アールフレッドは、第二班と三班に休息を与えた。
「あの攻撃力、新装甲であるテクタイトでも防げるかどうか……」
 ガルマンの要塞は、24時間体制で改装が行われた。
兵士達も鞭打って作業に励んだ。

         ◇

「三千院くん」
 長官が、三千院を呼んだ。
「何でしょうか!? 長官!!」
「ヤマトが出撃した後、アクエリアス大氷球を消す部隊を決めてくれたまえ」
「確かに、あそこは機密の塊ですね」
 長官は、機密情報消去する部隊の選定を三千院に命じた。
「アレだけの質量です。 主力戦艦では、6隻ないと蒸発させられないでしょう」
「と、なると[春藍]になるか……」
「既に[春藍」の艦長に内意を伝えてあります」
「[春藍]にヤマト出撃後、アクエリアス大氷球の残骸を消す任に当たってもらう。 [春藍]艦長に伝えておいてくれ!!」
「了解!! [春藍]艦長に伝えておきます」
 アクエリアス大氷球の機密情報消去の準備は、整った。
ヤマト出撃後、[春藍]の波動砲で蒸発させるだけだ。


 ヤマト出撃まで後3日

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