第10章

 ヤマトの出撃が決まった翌日……
物資と食料等を積んだ連絡艇がアクエリアス大氷球と地球を往復していた。
「食料は、直ぐに冷蔵庫へ運べ!!」
 生活班は、食料や医薬品を艦内の所定の場所へ運んでいた。
其れも、半端な量ではい。 
「ヤマト農園の生産は如何だ!?」
「計画通りに生産しています」
「よし。 積み込み分と消費量を推測して生産調整しとけ!!」

         ◇

「皇帝陛下!!」
『貴殿の配下、ホルギリスが単独行動で貴重な艦を喪失させたな!?』
「はい。 監督不行き届きで申し訳ありません」
『まぁよい。 貴奴は、我が帝国でも血の気の多さは1、2を争う。 止むえ
んだろう……』
「奴には、罰を与えました」
『与えた罰というのは?』
『司令部の掃除であります』
『ブリュンスタよ』
「はっ!!」
『そなたの基地へ偵察艦隊を預ける。 其れを使って銀河系の情勢を調べるがよい』
「ありがとうございます」
『我が計画は、成功させねば成らぬ。 我らの前に立ちふさがる者は全てなぎ払え』
「畏まりました。 皇帝陛下万歳」

         ◇

「司令!! 皇帝陛下より命令です」
 兵士は報告した。
「読め!!」
「偵察艦隊は、直ちに進軍しマゼラン雲防衛基地へ向かえとのことです」
「よし。 全艦抜錨!! マゼラン雲防衛基地へ進路を取れ」
 大マゼラン星雲の遥かかなたに停泊していた艦隊が一斉に駆動炎をあげ動き出した。 旗艦である巨大空母と高速艦で構成された偵察艦隊だ。
「私は、あの馬鹿とは違う。 必ずや皇帝陛下の期待に添えて見せる」

         ◇

「良いか!? ヤマトの艦載機の歴史は分かったな」
 加藤は、戦闘機隊の隊員に講義をしていた。
「ヤマトには二種類の戦闘機が搭載されている。 一つは、通常のタイプ。 もう一つは雷撃タイプだ!! 通常タイプの主任務は、ヤマトへ近づく敵機を撃ち落すことだ」
「隊長、聞いた話ではバージョンUPしたとか……」 
「丁度、話に出たことだし説明する」
 新戦闘機について話す加藤。
「ヤマトに積み込まれる戦闘機は、言うまでもない。 最新型だ!!」
「最新型と言うと、コスモタイガーⅣですか?」
「あぁ。 コスモタイガーⅢを5年の歳月をかけて改良し誕生したコスモタイガーⅣだ!! コスモタイガーⅣは、従来の戦闘機とは違う。 小さいながらも波動エンジンが搭載されている」
 今度のコスモタイガーには波動エンジンが搭載されているようだ。
「武装も強力なものに変更されている。 其の最たるものがミサイルだ!! 特に、波動カートリッジミサイルは気をつけろ!! ヤマトの波動砲の1兆分の1といっても、敵艦を一隻沈める威力があることを肝に銘じておけ!!」
「はいっ」
 隊員達は、返事をした。

         ◇

「真田さん、全ての作業が終わり次第、アクエリアス大氷球に爆薬をセットしてください」
「分かった。 作業が終わり次第、爆薬をセットしておく」
 そう言って、爆薬の手配をする真田。
ヤマトを改装する、此の秘密ドックに最後の日が近づいていた。


 ヤマト出撃まで、後5日

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