第27章

「司令!! 全艦発進準備、整いました」
 兵士が、司令に言った。
「全艦、抜錨!! [七色星団]へ進路をとれ!!」
 ウェストワルドは、命じた。
大マゼラン雲の基地から空母を主力とする艦隊が血戦の地、[七色星団]へ向かって発進して行った。
「待っていろ、ヤマト!! [七色星団]を貴様の墓場にしてくれる」
「司令!! ワープ可能宙域まで後、50万宇宙キロです」
「よし。 ワープ可能宙域に達し次第、[七色星団]へワープだ!!」
 ガルバート帝国の空母艦隊は、ワープ可能宙域へ向かっていく。



「ワープ終了!!」
「よし。 全兵士に一時の休息を与える。 交代で血戦に備えよ!!」
「司令!! 念のため、監視衛星を宙域に配します」
「監視衛星を配置せよ」
 ガルバート帝国の旗艦から監視衛星が宙域に発射された。
暫くして監視衛星からの情報が入ってきた。
 監視衛星からの映像がスクリーンに映し出された。
スクリーンには、銀河系…… 太陽系方面の映像が映し出せれる。
「ふっふっふっふっ。 綺麗な宙域だ」
「司令!! 宙域に機雷を撒かれては、如何ですか?」
「良かろう。 機雷をばら撒け!!」
「はっ!! 宙域に機雷をばら撒け!!」
 副官が、司令の命令を伝達する。
艦隊から、機雷を満載した輸送艦が機雷撒布の為、艦隊の前方に移動した。
「輸送艦へ…… 機雷を全部吐き出せ!!」
『了解!! 全機雷を射出します』
 輸送艦から大量の機雷が射出された。
射出された機雷は、旗艦からコントロールされ宙域に散らばる。
 其処で副官が更に進言する。
「司令、もう一つ設置したいものがあります」
「何だ!?」
「空間干渉装置です」
「其れを設置したら我方にも影響するのではないのか?」
「いいえ。 我が方には、何の影響もありません。 影響があるのは、ヤマトの方です」
「ヤマトの砲撃を逸らすよう設定して配置しろ!!」
「砲撃を逸らすだけで良いのですか!?」
「砲撃を逸らすだけで良い。 どうせ、機雷群に阻まれるのだからな……」
「はっ。 ヤマトの砲撃を逸らすよう設定して設置します」
 彼は、知らない。
ヤマトが、空間干渉装置を使った敵と戦った事があることを……



「そぉら、アナライザー、もっと飲め!!」
 佐渡は、相変わらずアナライザーを酒の共にしていた。
「うぃ~」
 ロボットなのに妙に人間くさいアナライザー。
「おぉ、ミーくんも飲め!!」
「佐渡先生!! 決戦前日の昼間から飲まないでください」
「大谷くんも飲め!!」
「先生!! 之は、没収します」
 そう言って、佐渡から酒瓶を取り上げる大谷。
「わしの酒……」
「此の酒は、戦いが終わるまで艦長に預けておきます」
「返せ!! ワシの酒」
 大谷は、佐渡から取り上げた酒を持って医務室を出て行った。
「あぁぁっ……酒が……」
 佐渡は、がっかりした素振りをする。


 そして、数分後……。
 艦長に佐渡の酒を預けてきた大谷が戻ってきた。
「大谷!!」
「何ですか!? 佐渡軍医長!!」
「お前さんは、第二治療室で治療に当たるんじゃ」
「理由をお聞かせください」
「今度の戦いは激戦が予想される」
「其れは、分かります」
「当然ながら負傷者も相当な数が出るじゃろう……」
「分かりました。第二治療室は、お任せください」
 大谷は、持ち場である第二治療室に向かった。



「[七色星団]まで、後30分!!」
 島が報告する。
「副長!!」
「はい。ヤマトの全戦士に告ぐ!!」
 副長が全戦士に語る。
「後30分で敵と接触する。総員第一級戦闘体制の上、持ち場に就け!!」
 ヤマト艦内に第一級戦闘体制が敷かれる。
 ヤマトの戦士たちが自分の持ち場に就く。




「ヤマトよ墓場へやってきたか!! 此処が貴様の墓場だ」
「司令!! 爆撃機隊を発進させますか?」 
「少し早いが料理を開始しろ!!」
「はっ!! 第一次爆撃隊発進!!」
 ガルバート帝国の空母艦隊から第一次爆撃隊が発進していった。
「第二次爆撃隊以降も発進準備の上待機!!」  
「第一次爆撃隊全機発進していきました」
 第一次爆撃隊の総機数1000機がヤマトへ襲い掛かる事になる。

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